余人をもって代え難し

その昔、関西圏でFMというとNHKとFM大阪という感じであまり面白くない選択肢でした。僕が高校生の頃にFM802が登場し、神戸にKissFM、そして京都はαstationと新しいFM局が次々と開局して聴く楽しみが増えました。
その頃は大阪の吹田に住んでいたので802やKissFMは良く聞こえるけれど、αstationは出力が小さく電波をキャッチするのはなかなか厳しい状況が続いていました。テレビのアンテナから電波を拾って状況が改善され、その後ケーブルテレビが導入されたので89.4MHzの周波数とは違う周波数の番号で楽しませてもらっていました。
αstationは当初番組という概念ではなく、一つの流れというような感じで音楽が流れてきており、なかなか斬新なスタイルにだんだん引き込まれていった記憶があります。
そんな感じで最初は802やKissFMを聴く頻度が高かったけれど、京都の大学に通い、だんだんαstationに傾注していくことになりました。
そのころから、朝なんだけれど何だか深夜にオンエアしていてもいいんじゃないか?と思うようなバリトンボイスの素敵な声で慌ただしい朝の時間の清涼剤のような雰囲気を醸し出す佐藤弘樹さんの番組を聴くことがだんだん日常の一コマとなってきて、以後ずーっとそのスタイルが続いていました。
今年に入り、少し長めのお休みがあったりして、優雅だな~なんて思っていたのですが、そのお休みに入られるちょっと前からでしょうか?音楽が流れ始めてからお話が始まるまでのタイミングに大きな違和感を覚えるような状況があって、なんだかおかしい?
お身体の調子がお悪いのかな?という感じに思えてきました。
そして、明らかにこれはちょっとおかしいなあ~と思った放送の翌日から、体調不良でお休みをされるという案内がありました。
翌日は戻られるかな?という期待もむなしく、またその次の日、その翌日という風にお休みが長くなり、6月に入ってからだったと思いますが、そのお休みはとうとう週単位でと延びてしまいました。
そうして、先週の月曜日、今週こそは復帰されるのかな?と心待ちにしていたけれど、ラジオからは今週もお休みという案内があり、残念な気持ちで出勤しました。
休憩中にSNSを見ると、そこには佐藤弘樹さんがお亡くなりになったという情報が目に飛び込んできました?にわかに信じられずαstationのホームページを見てみると・・・
http://fm-kyoto.jp/information/info-75369/
信じたくないけれど、それが事実であることが告げられていました。
空気とかお水とか普段当たり前のように思っていますが、無くなると生きていけなくなる大事な存在です。佐藤弘樹さんの朝の番組って僕にはそれに近い存在であったことをこの2週間余り感じています。
佐藤弘樹さんがお休みされてからは、前の番組を担当されている秋田美幸さんが主にピンチヒッターを務めてこられていました。秋田さんの雰囲気も好きなのですが、佐藤弘樹さんの雰囲気とはまた違います。マツモトアキノリさんには申し訳ないけれど、佐藤弘樹さんの重厚感に比べてあまりにも薄っぺらい雰囲気で馴染めません。
佐藤さんの声がラジオから聞こえなくなってもう1か月以上経ちましたが、心にぽっかりと穴が開いたような喪失感はまだまだ埋められそうにありません。
落ち着いた雰囲気でありながらウィットに富み、茶目っ気もあるその語り口は、そんなお話の仕方をしたいな~と憧れでもありました。
昨年とある会合に参加させてもらったとき、佐藤弘樹さんご本人もご参加されていらっしゃいました。遠巻きに見ていただけでしたが、勇気を出してお声がけさせてもらったらよかったなと大きく後悔もしています。
買ったまま放ったらかしだったこの本、読んでみたいと思います。

身近な人が亡くなり、佐藤弘樹さんもこの世を去り、それでも時間は刻々と過ぎていく・・・無常を感じつつ、それでも毎日を生きていく。

LIFE IS SWEET ではなく BITTERだなと感じることが多い世の中です。
何にSWEETを求めるべきなのかな?
佐藤弘樹さんといえばJAZZかなと思いますが、僕はこの曲にのっておしゃべりされる佐藤弘樹さんの雰囲気が大好きでした。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

Kazu について

飛行機のこと、音楽のこと、京都のこと・・・ 毎日の生活を備忘録代わりに綴っています! たまに毒を吐くこともあります・・・
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