もはやのぼりはないエスカレータの如し・・・
仕事で夜を外食させていただく機会がそれなりにあります。
ありがたい話ですが、不思議なもので続くときは結構続きます。
ご馳走の類ですので、当然素晴らしい料理がテーブルに出てきます!
この仕事を始めた時は、なんと素晴らしい体験かと結構楽しませてもらっていましたが、人間って慣れてしまうもので、これが日常になってくるとそういう感激も少なくなってきます。
それでも仕事ですから、記録として残しています。
お店がどこかは伏せますが4月から前菜だけを並べると御覧の通り
改めて並べてみると、4か月で9回ということは月に2回弱の平均!
立食なんかもあるから実際にはもう少し多いのだけれど、書き出してみるとこんなものか?ちょっと意外・・・
前菜ってこれから始まるご馳走の扉を開く大切な役目を帯びているから、味もだけれど見た目にもいろいろな拘りが見えます!
なんで前菜ばかりアップしたかというと、この拘りについてちょっとひとこと。
昨今の物価高騰でこうしたお料理の単価も例外なく値上がりしており、なかなか悩ましいのはお客さんもだけれど提供する側もかと思います。
全てじゃないけれど、ゲストとして参加するよりも運営側として参加する回数のほうが多い僕からすると、実際に食事をいただいて、見積もられた値段に見合うかどうかというのはよく見えてきます。
頑張ってはるな~と思うところもあるけれど、ちょっとなあと思うところも正直に言えばあります。ただ、その残念に思うということろがお料理以外で目につくということろがあって、勿体ないなと思う次第。
例えばメニュー
せっかく凝ったお料理なのにメニュー表がない(人数分作るとコストが嵩むという理由)
バター
宴会で出されるパン、美味しいものとそうじゃないものの差が結構はっきりします。
そんななか、美味しいパンが提供されてよかったな~と思うのも束の間、バターナイフがないのに気づき、お店に聞いてみるとバターは別ですという返答!
(バターが有料とかどこまで切り詰めるの?セコすぎてちょっと幻滅・・・あと、出ないより出るだけましかもしれないけれど、シルバーのバターケースじゃなく、ビジネスホテルで提供されるような銀紙で包んだものもなんだかなあ~という気持ちになります)
ワイン
たいてい飲み放題のプランになるから提供されるワインがどうこうという話になることもありませんが、この期間の話じゃないけれど、抜栓して2/3程度しか入っていないワインが平然とディスプレイされて驚愕したことがあります)
今回は、ディスプレイされていないけれど2列目に並んでいるところを発見。目を瞑りましたが・・・
最近いろんな場面で、拘りを無くすとなし崩し的にダメダメになってしまものが多いなと思います。
メニューがあればこそお客様も楽しいし、その料理の評価ができるもの。メニューを出さないのはコスト以外にも何か隠したい何かがあるのかと勘ぐってしまいます。
パンにバターってセットだと思っていましたが、ここを分けるという斬新さには感心します。この時はそういうリクエストはなかったと記憶しているけれど、運営側がケチっているように見られることもあるだろうし、料理料金の包含せずチマチマとオプションをとるやり方に正直少し心が離れてしまいます・・・
ワイン、そりゃ飲み放題だから飲み切らないで余るものも多いでしょうが、お客さんの目のつくところに置いて何とも思わないその無神経さ。
気の置けない友人のお家で、昨日飲み切らなかったワインを開けるのとは話が違います・・・
ちょっと話が違いますが、レジ袋や紙袋の有料化に飽き足らずテイクアウトの料理に必須のスプーンやお箸まで有料化する流れが出始めてきています。中食として持ち帰って家で食べるならともかく、そのままお弁当なんかで食べようと思う時、素手で食べろというに等しいこの悪辣さ。自ら提供した商品はお箸やカトラリーを用いて初めて食べることが出来、商品として完成するにもかかわらず、大事なところを分離させて平然と有料ですと宣うその感覚に、そのお店としての拘りがないと思うのと同じように思うのです。
お店の矜持はもう何処かに行ってしまって、むしり取ることが出来るところからはもう徹底的にというこの考え方、余裕のなさと下品さが見えて幻滅します。
守るべき一線を越えてしまうと無秩序な状況に突入してしまい、もう元には戻れなさそう。もう遅いのかもしれないけれど、今なら何とかギリギリ踏みとどまることが出来るんじゃないか?そんな淡い期待を込めて・・・皆さん、どう思われます?